救急看護認定看護師 片岡美香

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 私が救急看護の世界に興味を持ったきっかけは単純ですが、「救命病棟24時」というドラマの中で“救急看護認定看護師”が活躍している姿を見たことでした。看護学生の私の夢は「看護師になること」から「救急看護認定看護師になること」に変化し、救急医療に携わりたいと強く思い、地元から離れ当院へ就職しました。
 入職時は、一般病棟に配属され、自分の看護観や看護の基盤となる多くのことを学ぶことができました。しかし、救急看護認定看護師になるという学生の頃からの夢が諦めきれず、希望して4年目に救急外来へ異動となりました。                    
 いざ救急外来で働き始めると、救急看護認定看護師の知識の多さや深さ、患者や家族への細やかな観察点や配慮、コミュニケーション能力、救急車や患者の入れ替わりが激しいフロアのマネジメント能力等、高い実践能力を目の当たりにしました。そんな先輩を前に、自分にはできないと思い、認定看護師になることを諦めそうになることもありました。
 そんな中、やはり患者さんとの関わりが自分自身の救急看護について見直すきっかけを与えてくれました。医療行為が優先されがちな状況で、患者さんはどのような思いを抱いているのだろうか?思いに寄り添った看護ができているのだろうか?と思うことが増えてきました。さらに、すべての患者さんを救命できるわけではなく、医療の限界であることや、終末期で看取りを選択される家族もいらっしゃいます。このような場面に遭遇し、患者・家族にとってより良い看護が提供できているのだろうか?と考えるようになり、救急看護認定看護師になることを決めました。
 認定看護師教育課程を修了後、今年度認定試験に合格し看護学生の頃からの夢を叶えることができました。そして、認定看護師になることは、ゴールではなくスタートになりました。当院の救急看護認定看護師は私で6人目となります。そのため、先輩方から多くのことを学びながらも、自分の強みやサブスペシャリティを確立し、患者さんの為に自分に出来ることは何なのか常に考え、学ぶ姿勢を忘れずにいたいと思います。そして、一人でも多くの患者さんやその家族にとってより良い看護が提供できるように、多くの方へ救急看護の魅力を伝えていきたいと思っています。

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