チーム医療

 医療の現場では、多くの職種が一体となってその責務を果たしています。薬剤師はときにはその中心となって介入しています。

糖尿病教室


 糖尿病治療は、神経障害、網膜症、腎臓障害などの合併症を引き起こさないためにも早くから取り組むことが重要です。わたしたちは、患者さまやそのご家族にも正しい知識を持っていただくことが重要と考え、「糖尿病教室」や「糖尿病のつどい」等を開催し最新情報を提供しています。
 毎月1回開催している糖尿病教室は、医師、栄養士、薬剤師、検査技師、看護師、医療社会福祉士(MSW)がそれぞれ専門の立場から療養生活のポイントをアドバイスしています。また、年1回の全国糖尿病週間統一テーマに則した「糖尿病のつどい」は、患者さまとその家族が集まり、講演会と懇談会を開催しています。
 糖尿病教室のスタッフとして薬物療法を担当し、糖尿病患者さまの自己管理(治療、療養、生活習慣等)の支援をしています。

じんぞう病教室


 最近は、軽症を含めると成人の8人に1人は慢性腎臓病といわれ、糖尿病と並んで新たな国民病といわれています。当院は腎臓病総合医療センターがあり、小児を含めた慢性腎臓病の診療から透析や腎移植が必要な末期腎不全の診療を広く行っています。慢性腎臓病の患者さまができるだけ長く腎機能を保ち、末期腎不全への進行を遅らせるため、正しい知識をもっていただくことが重要と考え、当院では年4回、医師・薬剤師・看護師・栄養士など多くの職種が参加して患者さまと家族の方を対象としたじんぞう病教室を開催しています。

褥瘡(じょくそう)対策委員会


 褥瘡(とこずれ)の予防と治療・看護には多方面からの協力とアプローチが不可欠であるといわれています。当院の褥瘡対策委員会では、院内褥瘡対策について協議・検討し、その効率的な推進を図ることを目的としています。薬剤師は、医師、看護師、理学療法士、医事職員とともに、褥瘡回診、褥瘡担当看護師の教育、全職員を対象と
 褥瘡対策における薬剤師の役割は、局所治療に習熟し、褥瘡治療に使用される薬剤および創傷被覆材の適正使用を進めていくことです。例えば、創表面の湿潤環境に適した軟膏の基剤を選択することなどが挙げられます。また、褥瘡発生の分析、新しい評価方法の導入や、褥瘡経過記録の改訂などを行うことで、問題点を抽出し、さらに改善を進めていく役割も担っております。そして、疾患・治療・栄養を考慮に入れた全身的なアプローチも求められています。

NST委員会


 NSTは1970年米国シカゴで誕生し、医師、薬剤師、看護師、栄養士らが専門的な栄養管理チームの必要性を唱えたのがはじまりとされます。日本では1999年日本静脈経腸栄養学会の発足を期にNST活動の機運が盛り上がってきました。当院も2003年2月より医師、歯科医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、栄養士、言語聴覚士、理学療法士からなるNSTプロジェクトを立ち上げ、栄養管理の基礎から臨床応用までの勉強会を行い、2004年5月より実際の症例についてNST回診で栄養評価を行い、患者さまに最もふさわしい栄養法を提言しています。
 2005年9月からは全科型として稼動しており、NSTプロジェクトの一員として薬剤師が参画しているだけではなく、各病棟担当薬剤師がリンクナース、診療科担当医師とともに患者様の栄養管理にあたっています。

クリティカルパス活用委員会


 1999年、当院は全病院的にクリティカルパス導入宣言を行い、各部門のクリティカルパス推進委員を中心にパス作成を推進してきました。
 薬剤師は、病棟薬剤師を中心に各病棟でのパス作成会議にチ-ムの一員として参加しています。病院として、多職種でパス作成を取り組むことに大きな意義があり、チーム医療はEvidence Based Medicine(EBM:診療についての意思決定において、現在ある最良の証拠を良心的に公明に思慮深く用いること)に基づく医療の標準化、効率化、

 クリティカルパス(パス)の目的は、以下のとおりです。
1.医療の質の向上
2.医療の安全確保
3.チ-ム医療の推進
4.患者様の満足度向上
5.職務満足度の向上
6.医療の標準化
7.スタッフの教育支援
8.平均在院日数の短縮




ACLS普及プロジェクト


 ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support 二次救命法)はAHA(米国心臓病学会)から推奨されたガイドラインで、科学的根拠に基づいた心肺蘇生法のプロトコールです。当院では特に「突然の心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生」を習得することを目的とし、医療従事者のための蘇生トレーニングコースを開催しています。
 あらゆる医療者が対象となり、実際の医療機器を使用したシミュレーション実習を行っています。薬剤師もBLS+AEDコースと、一歩進んだACLSコースへ参加し、院内に設置してあるAEDを用いた心肺停止傷病者の蘇生ができるようにしています。



国際医療救援


 名古屋第二赤十字病院は、日本赤十字社の一員として国内はもとより海外の災害救援・紛争犠牲者に対する国際救援や保健衛生の向上のため医療要員を派遣し、国際貢献に努めています。国際医療救援拠点病院の指定を受け、国際医療救援活動の拠点病院として活動をしています。
 薬剤師は国際医療救援部設置当初からチームの一員として関わり、活動しています。国際医療救援の派遣先は災害地域、紛争地域、途上国など衛生環境の低下した地域がほとんどであり、救援活動を行う職員に対し計画的
な予防接種を行っています。一方、国際医療救援活動の中で薬剤師は国際的に使用されている救援用医薬品リストおよびガイドラインなどを把握し、適切な医薬品の使用や管理に貢献することへのニーズが高まってきています。

緩和ケアチーム委員会


 当院は、緩和領域の質的向上を目指すため、医師、看護師、薬剤師を中心とした緩和ケアチームプロジェクトを発足させました。緩和ケアは終末期だけでなく、診断時から、病変の治療と並行して行われることや、すべてのがん患者さま、さらに慢性疾患患者様を対象に広げていくよう提唱されています。
 緩和ケアにおける薬剤師の役割は、薬剤の適正使用や副作用対策を中心とした薬物治療と、その教育・啓発に加えて、標準治療を目指すマニュアル作成や、痛みなどの諸症状の評価(アセスメント)方法を構築する役割も担っています。迅速なる除痛と、全人的な痛みの軽減を目標に、他の医療スタッフとともに進んでいきたいと考えております。

がん化学療法検討委員会


 がん化学療法は副作用の重篤さだけでなく、用法・用量の複雑さ、さらにそのレジメンは奏功率を高めるため日進月歩です。それ故、一般の薬物よりも管理が困難で、医療事故が発生しやすく、その事故は患者さまへ致命的な障害を起こすこともあります。
 当院では平成17年9月より、がん化学療法を安全に実施するための体制作りや各診療科の化学療法プロトコールを委員会内で評価することにより、患者さまが安心して化学療法を受けられる病院となることを目指して、がん化学療法検討委員会を立ち上げました。薬剤部は当委員会の事務局として、円滑な委員会運営ができるよう日々活動しています。

手術支援センタープロジェクト


  手術が決定した入院前の段階から、薬剤師が持参薬管理に関与し、術前に中止が必要な薬剤について検出し患者さまに適正な支援をして安全な手術を目指します。当院では現在、他職種を交えてセンター立ち上げのプロジェクトを展開しています。
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