当院について

漏斗胸について

漏斗胸

     写真1 漏斗胸

漏斗胸とは、写真1のように漏斗状に胸が陥凹する前胸壁の変形のことです。原因は、はっきりとは分かっていません。多くの場合赤ちゃんの頃から陥凹が認められます。頻度は高くないですが、心臓機能異常・呼吸困難・無気肺・肺感染症・喘息・肺機能低下を起こす事があります。実際にはこれらの症状よりも外見的(美容的)なことを主訴に受診される方が多いです。学童期・思春期に悩んだり、いじめに遭ったりすることもあるようです。

治療法

     図1 NUSS法

以前は胸骨翻転術・挙上術といった胸に大きな傷あとの残る手術しかなく、「へこみは良くなったけど結局傷が目立つので嫌だ」という声がきかれました。しかし、アメリカで始まったNUSS法とよばれる手術が日本にも普及したことで、漏斗胸手術は大きく変わりました。
NUSS法とは、胸腔鏡補助下で金属製(当院ではアレルギー反応の少ないチタン製のものを使用)のバーを挿入し胸骨を挙上する手術です。図1の絵のような位置に金属を留置します。

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    写真4 バー除去後

写真2が術前のCT、写真3が術後のCTです。金属が挿入されて胸部の凹みがなくなっているのがよくわかります。この金属のバーはおよそ3年後に取り除きます。写真4はバーを取り除いた後の写真です。バーを取り除いた後に再び胸部が陥凹することは非常に少ないとされています。
NUSS法手術の入院期間はおよそ1週間です。バーを取り除く手術の際にも2~3日の入院が必要となります。呼吸器症状の併存や他の合併疾患の治療上どうしても早期手術が必要な場合を除き、当院では基本的には5歳になってからの手術をおすすめしています。一般的な手術の至適年齢は8~12歳とされていますが、個々の症状や陥凹の程度、生活スタイル(部活動や受験など)を考えながら手術の時期を決める必要があります。また、高校生や成人での手術例もあり、至適年齢を超えていても手術は可能です。

その他の治療法

民間療法も含めて様々な手術以外の治療法が試されていますが、その効果が証明されたものは残念ながらありません。しかし、外来では手術試適年齢までの間に呼吸法・運動(特に背泳ぎ)等を試して頂いています。また、保険適応はありませんが、姿勢保持の為のバンドや自宅で行う吸引の器械もあり、外来で紹介しています。

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