腎がん

診療科名:泌尿器科

集学的治療の実施状況

【手術療法】

泌尿器科医が担当。当院では1994年より腹腔鏡手術を導入し、局所限局腎癌に対しては2007年より腹腔鏡下腎摘出手術を、2009年から腹腔鏡下腎部分切除手術、2016年4月から da Vinciサージカルシステムによるロボット支援下腎部分切除手術を導入し、可能な限り低侵襲な治療を目指している。2016年11月にはロボット支援下腎部分切除手術の保険適応の施設認定を取得。2022年5月からはロボット支援下腎摘除手術を開始している。進行腎癌に対しては従来の開腹手術を行い、下大静脈塞栓などの進行がんは外科・心臓血管外科と合同で施行する。また、肺転移巣に対しては呼吸器外科で手術を施行。

2021年 2022年
腎部分切除術(開腹) 1
腎部分切除術(鏡視下) 1
ロボット支援下腎部分切除術 15 17
根治的腎摘除術(開腹) 2 4
根治的腎摘除術(鏡視下) 21 34

【薬物療法】※主に進行癌、転移癌に行う。

分子標的薬治療:泌尿器科医が担当。チロシンキナーゼ阻害薬(スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、カボザンチニブ)、mTOR阻害薬(エベロチムス、テムスロリムス)等に代表される分子標的薬による治療。

免疫チェックポイント阻害薬による治療:泌尿器科医が担当。2次治療としてはニボルマブ単独治療を、一次治療としてはニボルマブ+イピリムマブ併用療法、ペムブロリズマブ+アキシチニブ併用療法、アベルマブ+アキシチニブ併用療法、ニボルマブ+カボザンチニブ併用療法、ペムブロリズマブ+レンバチニブ併用療法をリスク分類に応じて選択、術後補助療法としてのペムブロリズマブを病期分類等に応じて選択している。

サイトカイン療法:泌尿器科医が担当。インターフェロン・インターロイキンⅡ等の従来のサイトカイン治療も肺転移単独症例等、症例に応じて行う。

【放射線療法】
放射線療法:放射線科医が担当。

準じているガイドライン名 応用治療を実施している場合はその治療内容

腎癌取り扱い規約、腎癌診療ガイドライン、抗がん剤適正使用のガイドライン 泌尿器がん(日本癌治療学会)に準拠している。

局所限局癌は可及的に外科手術をする。根治が期待できない進行癌でも可能であれば姑息的ではあるが外科手術をする。進行癌・手術不可能症例には分子標的治療・サイトカイン療法等薬物療法や放射線療法が選択される。