薬剤部

病棟薬剤師業務

病棟薬剤業務

病棟薬剤師業務は今まさに変革期にあり、従来の服薬指導や薬品管理のみならず、チーム医療の一環としての薬物療 法の構築・管理へと、その裾野を大きく広げつつあります。当院でも時代のニーズに応じるべく、“薬だけ”を見るのでは なく“患者と病気”を診ることが出来る薬剤師を目指して様々な取り組みを行っています。

薬品管理

当院は急性期病院であり、病態の変動が大きな患者さんが多いことが特徴 です。そこで病棟にも緊急時に備えて定数配置薬を常備していますが、これ らの管理は病棟薬剤師が担っています。ただ品目を確認するだけではな く、薬剤師の目を介さないリスクや必要性、頻度に関する最新情報を確認 しながら、病棟スタッフや医師と協議し定期的に見直しを図っています。

薬剤管理指導業務

服薬指導とは薬の説明を患者にするだけのものではありません。決定された治療方針に対し、薬物療法をどのように 適合させるのか、「現況を評価して」「個々にカスタマイズして」「結果と影響を評価する」こうした薬物療法の構築と監 督こそが我々が求められている職能であり、薬剤管理指導業務と総称すべきものだと考えています。 例えば、当院では急激な患者病態の変動の中の初動を担うケースも多いのですが、このような場合患者情報が十分に 揃っていないことは往々にしてあり、患者の服薬状況の確認である持参薬報告が非常に重要な業務となります。持参 薬報告は単なる報告ではなく、服薬状況が現病態に与えている影響を考慮し、今後の治療方針と原疾患とのバランス を処方設計として医師に提言するためのツールでもあります。当院では現在、原則全ての患者に対し薬剤師が持参薬 確認・報告を行っており、約8割の患者に薬剤管理指導業務を提供しています。

チーム医療

チーム医療とは、治療方針に従って個々の専門職が最良の医療を提供する ことのみでは成立しません。薬物療法のみが単体で成立しているのではな く、それぞれの専門職の治療が患者を介して連動し総体として患者をみて 最適化する必要があるのです。そのために、患者現況の把握と治療方針の 共有は必須要件となります。薬剤部では各種カンファレンスへの参加を積 極的に勧めています。

体制

病棟には基本的に2名薬剤師を配属しており、0.5日×2名の形で病棟常駐 を実現するとともに、ペアとなる薬剤師の経験年数に配慮することで、若年 の薬剤師も上級薬剤師の適切な指導の下で早期に病棟薬剤師として活動 できる体制を整えています。 残りの0.5日は薬剤部内業務(調剤等)に当て られます。従って厳密な意味では『病棟専任』ではありません。 しかし薬剤管理指導業務を適切に行い、有用な処方提言を積極的に行う には、処方内容から患者状況を読み取る処方解析スキルが必須です。少し でも多くの処方箋に触れることこそが処方解析の訓練に最も適しているの です。薬剤部では各種専門・認定資格の取得を積極的に勧めていますが、 そもそも薬剤師は薬のスペシャリストなのです。資格以前に薬物療法に関 しては全ての領域において一定以上の知見を有する(ジェネラリスト)こと が求められています。

教育

薬剤部として定期的に行っている勉強会としては薬剤セミナーや症例検討会、他職種勉強会等があります。 薬剤セミナーは特定薬剤の最新知見を製薬会社から提供して頂くものです。症例検討会は以前は問題症例を薬剤師 間で討議する場でしたが、最近は疾患とその代表的な薬物療法を各診療科の担当薬剤師に講義して頂く形式に変更 して、若手~中堅薬剤師の臨床知識の底上げを図っています。他職種勉強会は2014年から始めた新企画で、医師 等、他職種の方になかなか勉強できない専門分野の基礎講義を行って頂くもので、初年度は心電図解析やフィジカル アセスメント等の講義を実施しました。チーム医療を行う上で、他職種が行っている治療の基礎を知ることが大変重 要と考えています。
この他にも、各種専門・認定薬剤師を中心に定期的に勉強会を独自に運営しているグループも多く、互いに切磋琢磨 しています。