クオリティ・インディケーター

11.心血管に関連する指標

11.1 PCI後24時間以内の院内死亡率

2014年度
0.2%
分子:「分母」のうちの24時間以内の院内死亡患者数(1)
100%
分母:40歳以上のPCI(緊急を含む)実施入院患者数(430)

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PCI(冠動脈形成術)は、わが国において虚血性心疾患治療の中心的位置を占める方法です。カテーテルによる血管内手術ですが、風船治療とも言われます。PCI後24時間以内の死亡率は、手術手技に関連した死亡を抽出するものです。しかし、PCIは、予定症例のみならず、急性心筋梗塞や心肺停止症例に対する緊急治療としても行われることから、現実的には、緊急症例の重症度により、死亡率が規定される傾向にあります。当院は救命救急センターを有し、救急診療は当院の最も重要な診療領域です。緊急PCI後の症例においても、病院全体を挙げ、より低い死亡率を目指す取り組みを行っています。

11.2 急性心筋梗塞患者における退院時処方率(アスピリン、β-遮断薬、ACEI/ARB)

11.2.1 アスピリン

2014年度
73.9%
分子:退院時にアスピリンが処方されている患者数(119)
100%
分母:急性心筋梗塞の診断で入院し生存退院した患者数(161)

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11-2 急性心筋梗塞は、突然死に至る最も緊急性の高い疾患です。急性期治療として、PCIの占める割合が大きいことは言うまでもありません。しかし、急性心筋梗塞は、急性期を乗り越えたら治癒する病気ではありません。ほとんどの症例が陳旧性心筋梗塞となり、急性心筋梗塞再発の予防(これを二次予防と言います)が重要です。急性心筋梗塞の二次予防は、生活習慣の改善と薬物療法により行われます。アスピリンは、その中でも最も標準化が進んだ薬剤です。アスピリンの抗血小板作用は、急性心筋梗塞の二次予防が証明されています。薬剤の副作用や出血性疾患の合併などにより処方できない症例を除き、基本的に、全ての急性心筋梗塞の患者さんに投与されます。一部の症例では、アスピリンの代わりとなる抗血小板薬が投与されています。

11.2.2 β-遮断薬

2014年度
70.2%
分子:退院時にβ-遮断薬が処方されている患者数(113)
100%
分母:急性心筋梗塞の診断で入院し生存退院した患者数(161)

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急性心筋梗塞は、突然死に至る最も緊急性の高い疾患です。急性期治療として、PCIの占める割合が大きいことは言うまでもありません。しかし、急性心筋梗塞は、急性期を乗り越えたら治癒する病気ではありません。ほとんどの症例が陳旧性心筋梗塞となり、急性心筋梗塞再発の予防(これを二次予防と言います)が重要です。急性心筋梗塞の二次予防は、生活習慣の改善と薬物療法により行われます。β―遮断薬は、元来降圧薬として使用されてきましたが、急性心筋梗塞の二次予防効果が証明されています。わが国では、欧米と比較して、冠攣縮を合併する症例の頻度が高いことから、以前はそれほど処方頻度が高くありませんでした。しかし、近年、わが国において医学的データの集積とともに、処方率は上昇しています。当院でも、国内、海外のデータをもとに、現在はβ―遮断薬を積極的に処方しています。

11.2.3 ACEI/ARB

2014年度
85.1%
分子:退院時にACEI/ARBが処方されている患者数(137)
100%
分母:急性心筋梗塞の診断で入院し生存退院した患者数(161)

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急性心筋梗塞は、突然死に至る最も緊急性の高い疾患です。急性期治療として、PCIの占める割合が大きいことは言うまでもありません。しかし、急性心筋梗塞は、急性期を乗り越えたら治癒する病気ではありません。ほとんどの症例が陳旧性心筋梗塞となり、急性心筋梗塞再発の予防(これを二次予防と言います)が重要です。急性心筋梗塞の二次予防は、生活習慣の改善と薬物療法により行われます。ACEI/ARBは、心機能を保持し、心機能の低下した心筋梗塞の予後を改善することが証明されています。当院では、低血圧や高カリウム血症など副作用を生じやすい症例に配慮しつつ、投与を行っております。

11.3 PCI後24時間以内のCABG実施率

2014年度
0.5%
分子:経皮経管冠動脈形成拡張術施行後、24時間以内の冠動脈バイパス・グラフトを施行した患者数(2)
100%
分母:経皮経管冠動脈形成拡張術施行患者数(430)

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PCIとCABGは循環器内科・心臓血管外科が担う冠動脈疾患治療の要です。この二つはどちらが優れているというものではなく、それぞれの短所を補い合う補完的な関係にあります。歴史的には、CABGによる冠血行再建術が最初に開始されました。PCIは、1980年代には4.1%に緊急CABGを必要としました。このため、米国では、現在でもPCIは心臓外科が常駐している病院においてのみ実施可能となっています。近年、PCIの技術と治療器具の改良により、緊急CABGを必要とする症例は、少数例となっています。当循環器センターでは、昨年該当症例はありませんでした。その一方で、この統計には、緊急PCIに引き続き緊急CABGを必要とする症例も含まれています。当院は救急救命センターを有するため、このような重症例が搬送されてきます。PCIのみで治療を完結させることは理想的に見えますが、最高の治療を行うためは、循環器内科、心臓血管外科がよく協議し、適切な治療選択を行うことが重要です。

11.4 開心術・人工心肺手術を受けた患者の平均術後在院日数

11.4.1 開心術を受けた患者の平均術後在院日数

2014年度
26.5日
分母の患者の11.4 開心術・人工心肺手術を受けた患者の平均術後在院日数11.4 開心術・人工心肺手術を受けた患者の平均術後在院日数
  • 0日
  • 5日
  • 10日
  • 15日
  • 20日
  • 25日
  • 30日
  • 35日
  • 40日

分子:分母の患者の術後在院日数合計(4,746)
分母:開心術(冠動脈バイパス術を含む)を受けた患者数(179)
分母除外:死亡退院患者数

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11-4 患者さんの術後回復が早ければ在院日数は短縮し、周術期の良い管理の指標といえます。また術後在院日数は全国的に減少傾向にありますが、施設ごとの患者背景に大きく依存する指標でもあります。一般に重症患者、高齢者、透析患者、緊急、大動脈疾患患者の割合が高いほどこの指標は延長する傾向にあります。 当院では医師、看護師、薬剤師、理学療法士、ソーシャルワーカーなど多職種で退院支援を行い、安心して手術を受けていただける環境を整備しております。今後も継続的にデータを蓄積し、よりよい周術期管理の方策を検討していきます。

11.4.2 人工心肺手術を受けた患者の平均術後在院日数

2014年度
26.8日
  • 0日
  • 5日
  • 10日
  • 15日
  • 20日
  • 25日
  • 30日
  • 35日
  • 40日

分子:分母の患者の術後在院日数合計(4,311)
分母:人工心肺手術を受けた患者数(161)
分母除外:死亡退院患者数

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患者さんの術後回復が早ければ在院日数は短縮し、周術期の良い管理の指標といえます。またこの数値も全国的に減少傾向にありますが、施設ごとの患者背景に大きく依存する指標でもあります。一般に重症患者、高齢者、透析患者、緊急、大動脈疾患患者や再手術患者の割合が高いほどこの指標は延長する傾向にあります。 当院は救命救急センターとして緊急手術の受け入れを積極的に行い、緊急の大動脈疾患の割合が高めであるとともに、透析診療でも地域の基幹病院であるため、透析患者の手術が自然と多くなっております。 心臓血管外科チームを中心に患者さん個々に応じた入院治療を提供しつつ、周術期管理の向上とともに、その結果となる入院の短期化を検討しております。