小児専門看護師 深谷基裕

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看護師という職業を選んだわけ

私自身幼少期に喘息をもっており、小児科外来、小児病棟にはお世話になりました。病院に来るとたくさんの医療者、なかでも看護師さんに吸入や点滴をしてもらい、呼吸が楽になるようにケアしてもらいました。繰り返し発作を起こしていたせいでしょうか、幼少期は病院の玄関を入っただけで、なぜかほっと安心してしまい、息苦しさが軽減していました。自分も大人になったら、子どもたちの苦痛を少しでも和らげたいと思い、看護師になりました。

小児看護専門看護師とは

小児看護専門看護師は徐々に増えていますが、全国に140名しかいません(2014年度)。子どもは大人のミニチュアではなく、独特の機能や構造をもっています。認知の発達も途上であり、自分の気持ち、感覚、感情を十分に言語化できないという特徴をもっています。そのため、ケアをする人が豊かな感受性をもち、子どもに関わることが必要です。小児看護専門看護師はさまざまな健康レベルの子どもと家族に対して、健やかに成長・発達していけるように、医療・保健・福祉・教育など様々な専門職と協働して看護を提供します。施設や各専門看護師のサブスペシャリティーによって活動内容は異なっています。

子ども中心の看護を目指して

病気をもつ子どもたちは服薬、検査、処置など痛い、つらい、めんどくさいことを受けます。私が子どもの頃は押さえつけられ、注射や点滴を受けていました。この時の体験は「やられた」という悲しく、惨めなものでした。
子どもたちはそれぞれバネのように力をもっています。バネは伸びた状態では力はないですが、一度縮めた状態にすると勢いよく伸びようと力を発揮します。現在、私は小児病棟で勤務しています。入院している子ども自身が十分に力を発揮して、納得して療養に取り組めるように子どもとその家族、多職種で一緒に考えてかかわっています。子どもたちの笑顔をみるのが一番の癒しです。

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