総合周産期母子医療について

総合周産期母子医療センター長 

加藤 紀子

当院は、2009年に総合周産期母子医療センターとして国から指定を受け、現在、MFICU(母体胎児集中治療室)6床、NICU・GCU(新生児集中治療室)35床を有し24時間体制で出産前後のお母さんと赤ちゃんの治療にあたっています。センター開設以来、新生児科と治療方針を密に連携し、県内各地の病院から母体搬送を積極的に受け入れてきました。特に、母体救命にかかわる搬送は、すべての受け入れを原則として、麻酔科や救急部、各診療科の協力のもと、最適な治療をおこなえるように体制を整備しています。 外来部門では,切迫早産、妊娠高血圧、胎児異常などを合併した妊婦さんを対象としたハイリスク妊婦外来を設置し、より丁寧できめ細かいケア・計画的でより安全な出産ができるように努めています。また、内科疾患などの合併症を持つ妊婦さんも、妊婦健診時に、各診療科と共同しながら安定した状態で分娩に臨めるようにしています。2013年には、やごと周産期セミオープンシステムを開設し、近郊の産科施設に妊婦健診をお願いしています。そのおかげで、重症妊婦さんの紹介や母体搬送がより円滑になりました。また、助産外来も開設しています。総合周産期母子医療センターなので、ローリスクの妊婦さんばかりではありませんが、医師と連携を取りながら、助産師が診察から超音波検査まで施行し、妊婦健診をしています。 今後も、総合周産期母子医療センターとして、お母さんと赤ちゃんのために安全で質の高い医療を提供し、地域から信頼いただけるよう、スタッフ一同努めてまいります。

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