国は高齢化社会に対応するために地域の病院の機能を、高度急性期病院、一般急性期病院、亜急性期病院、回復期リハビリテーション病院、と明確に分化させ、患者さんの病状に応じて各病院が対応する医療制度に切り替える方針です。
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院は、高度急性期病院の機能を担います。高度急性期病院は重症患者、急性期患者に対して高度な専門医療を提供することが使命で、外来は紹介専門外来が中心となります。通常の外来診療は「かかりつけ医」である地域の200床未満の病院や診療所が中心となり、かかりつけ医が専門医の判断、治療が必要な病態と判断した場合に、紹介状を書いていただき当院の紹介専門外来を受診していただくことになります。
地域診療所との連携による一貫した診療体制
当院では、地域の診療所の先生との関係はどうあるべきか、ということを早くから考えて来ました。これからの地域医療においては、普段の健康維持の相談は診療所の先生、すなわち『かかりつけの先生』が行い、専門的な検査や入院が必要な治療は病院が行うという病状に応じた役割分担が大切であると考えています。 『かかりつけの先生』は、患者さんの病状によって病院へ紹介状を書き、患者さんはその紹介状を持って病院を受診していただく。そして検査や治療が終わり容体が落ち着いたら、患者さんはまた『かかりつけの先生』のところで治療を続けていただく。このように、診察所と病院の連携による患者さん中心の一貫した診療体制が大切であると思います。 2003年4月には、厚生労働省医政局長から各都道府県知事宛に、公的病院を対象とした「医療機関の機能分担と連携への協力依頼」がありました。
1,700名の地域の登録医の先生方とともに
当院では、近隣5区を中心に医科・歯科を合わせて1,700名を超える診療所の登録医の先生方と連携しております。こうした先生方と病院との連携体制は平成2年から進めており、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院病診連携システムと呼んでいます。登録医の先生方には、いつでも自由に当院に出入りしていただき、ご自身が紹介した患者さんの様子を診ていただいています。また、専門的な医療機器を必要とあればいつでも利用いただけるシステムや、登録医の先生方からご紹介いただいた患者さんが、いつでも入院できるような体制を整えています。
さらに、平成25年度から地域医療連携ネットワークシステム『やごとクロスネット』を整備し、インターネットを介してリアルタイムでの情報提供を行い、ご参加いただいている登録医の先生方はご自身の施設に居ながらにして紹介した患者さんの検査データ等をご確認いただく事が可能となりました。これにより、さらに密接な連携体制を築き、かかりつけ医である登録医の先生と当院の主治医との共同診療が容易となり、患者さんにとってより充実した診療体制が提供できることとなりました。
「かかりつけの先生」をお持ちください
患者さんには、まず『かかりつけの先生』をお持ちいただきたいと思います。『かかりつけの先生』にご自分の健康に関していつでも相談して、健康を維持することを心がけてください。『かかりつけの先生』が病院で診てもらった方がいいということであれば、当院はその先生との連携によって、高度な医療機器と専門医による医療技術を駆使して治療にあたります。『かかりつけの先生』をお持ちいただき、その先生の紹介で病院を受診することが、これからの病院の上手な利用法ではないでしょうか。
「かかりつけ医」の紹介状により、今までの治療経過が分かり、当院でも診療が円滑に行えます。
紹介状をお持ちの方は、診療を優先いたしますので、待ち時間が短くなります。また、予約センターで事前に受診予約ができます。
紹介状をお持ちの方は、初診に係る選定療養費7,700円(2022.10より)が免除されます。 地域医療支援病院、高度な診療を行う急性期病院として、地域の皆さまに信頼される病院をめざします。ご理解とご協力をお願いいたします。