薬剤部

教育

当院薬剤部では、新人教育はもとより、薬剤師の継続的な教育を行っています。また、各種専門・認定薬剤師を中心としたグループ勉強会等、様々な勉強会を開催し、互いに切磋琢磨する環境が整っています。

新人教育プログラム

入社後少しでも早く環境に慣れ、そして「薬剤師の任務」を遂行できる薬剤師に成長するために各課の薬剤師が協力して研修を行います。

また、新人と先輩薬剤師がペアとなってサポートする、メンター制度を導入しています。

メンターがいることにより、業務に直接関係することだけでなく職場環境における不安や会社のルールに関することなども、気軽に相談できる環境ができています。

各課研修

主に調剤業務において必要な基本的能力を身につけるため、各課が作成したチェックリストに沿って研修を実施します。研修中は定期的に評価を行い、個々の進捗状況や理解度を確認することで、着実に技術・知識を習得していきます。

また、各課が作成した問題集を用いて内規や研修内容を復習し、正しい知識を定着させていきます。

当直研修

当直業務帯ならではの業務や、院内スタッフからの問い合わせに対応できるよう、先輩薬剤師の指導の元で実際の業務を行っていきます。研修後は、2名(セントラルとサテライトに1名ずつ)での当直体制を活かし、上級薬剤師とペアとなりフォローを受けながら当直業務を開始します。

患者指導・病棟研修

患者指導の中でも、特にスキルが必要な医薬品(インスリン、吸入薬、オピオイド等)の指導方法を先輩薬剤師とともにグループで学び、模擬患者を用いた実践的な指導練習を行います。

病棟業務に必要な知識、行動を身につけるため、上級薬剤師の指導のもとで病棟薬剤業務研修を行います。
ここでは電子カルテ(検査値、経過表、注射指示、処方指示など)の活用法や、薬剤管理指導業務(薬歴管理、服薬指導、薬効・副作用のモニタリング、処方提案など)、TDM業務、定数配置薬の管理などを学びます。

研修終了後は、可能な限り個々の希望する分野に携われるよう配属先を決定し、上級薬剤師とペアを組んで病棟薬剤業務を開始します。

継続的に学べる環境

定期的にDIカンファレンスを開催し、薬剤師全体の知識と意識の向上を図っています。その他、専門薬剤師による勉強会や医薬品に関するセミナーなども、病院薬剤師としての知識を広げるためのよい機会となっています。

DIカンファレンス

DI担当者から副作用情報の解説、情報収集方法等のミニレクチャーを開催しています。
最近では、集合形式の勉強会だけでなく、DI担当薬剤師や先輩薬剤師が作成したスライドを薬剤部内メールで共有する取り組みも行われています。メールで共有することで各自のペースで学習することが可能になりました。経験を積むとスライドを作成する側にもなりますが、資料を作ることで理解が深まり、そのスライドで学習した薬剤師も成長できるというプラスの循環が生まれています。

症例カンファレンス

薬剤管理指導において、薬剤選択や指導方法など対応に困った症例を持ち寄り、皆で検討する症例カンファレンスを行っています。
普段は個々で行っている業務内容を見直す機会であり、また担当科によって内容が大きく異なる病棟業務において、普段経験しない症例について触れる機会にもなっています。
当薬剤部は日本医療薬学会が実施する地域薬学ケア専門薬剤師制度における連携研修基幹施設となっています。研修中の薬局薬剤師の先生方とも、このカンファレンスで一緒にディスカッションを行っています。

専門領域チームの活動

これまでも「がん」、「糖尿病」、「緩和」、「NST」、「妊婦・授乳婦」などの各領域の専門知識を有する薬剤師による勉強会が開催されていました。2021年度より「専門領域チーム」として、8領域のチームが発足しました。


(2021年度時点)

薬剤セミナー

新規採用薬剤や適応追加薬剤について、製薬会社からの情報提供を受ける機会を設けています。

研修会や学会への参加・e-learningの活用

査読や出張費用などのサポートが充実しており、資格取得に必要な研修会への参加や学会発表などにチャレンジできます。各領域にスペシャリストが存在するため、相談しやすい環境となっています。

専門領域や幅広い薬学知識を継続的に学ぶため、若手薬剤師の院外研修会や学会への参加を推奨しています。学会発表の際には、病院からの補助も利用することができ、薬剤部内での査読サポートも受けられます。

日本病院薬剤師会のe-learningを活用し、自主学習での単位取得が可能です。また、当院において全国の赤十字病院の薬剤師が参加する日赤臨床薬学研修会を毎年開催しており、講演や討論会に参加することができます。

先輩情報:恒川 龍二

入社年度 2020年度
卒業大学 慶應義塾大学
【入社のきっかけ】
私はさまざまな疾患の症状や経過、また治療を受けている患者さんが病気や薬について感じていることを、自分の経験の中で学びたいと思い、たくさんの患者さんと出会える病院で働きたいと考えました。日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院は、名古屋でも有数の総合病院で病床数が多く、多くの患者さんと出会う機会があり、薬剤師としてたくさんの経験を積めると思い当院を志望しました。
【やりがい】
薬剤の中には食後に服用する薬だけでなく、服用タイミングが特殊なものや、見慣れないデバイスを用いるもの、副作用に特に注意が必要なものなど、治療を適切に進めていくために患者さん自身が理解しておくとよいことが多くあります。そういった事項について患者さんに説明し、伝わった手応えを感じたときに薬剤師としてのやりがいを感じます。また、そうした説明スキルや薬剤に関する知識を日常業務の中で身につけ実践し、自分自身の成長を感じられることが嬉しいです。

先輩情報:船曳 恵美子

入社年度 2020年度
卒業大学 帝京平成大学
【入社のきっかけ】
私は学生時代から、薬剤師として幅広い疾患の治療に携わりたいと考えていました。当院は病床数が多く、急性期病院のため、ここならば自身の夢が実現すると思い訪問見学しました。現場では先輩薬剤師の方々が、病院のチームの一員として治療に携わる姿を間近で見ることができ、まさに自分が目標とする薬剤師像だと感じて志望しました。
目標にはまだまだ及びませんが、入職以降も充実した新人教育プログラムや、メンター制度を通じて、自分自身が日々研鑽できる環境だと感じながら業務に従事しています。
【やりがい】
自分が気づいたこと、疑問に感じたことが治療に反映された時にやりがいを感じます。薬剤師として働く上で、専門的な観点を持ち、患者さんにとってベストな処方提案やアドバイスができるよう努めています。
入職後一年間は調剤業務が中心でしたが、最近は病棟での業務も始まり、直接患者さんや他の職種の方々と関わる機会が増えました。より患者さんに近い現場になったことで、充実した日々を送る一方、毎日分からないことに出会っては調べる、の繰り返しで自身の知識・経験不足を痛感しています。だからこそ、学ぶ姿勢を大切に、より高い責任感を持ち、患者さんやそのご家族、多職種の方々から信頼されるよう、日々の業務に邁進していきたいです。

先輩情報:小田 幸弘

入社年度 2019年度
卒業大学 徳島大学
【やりがい】
私が所属する整形外科病棟では、医師・看護師・理学療法士など様々な職種と意見を交わす機会があり、多職種連携を通した患者貢献ができます。入院中に生じる問題では薬物治療が必要になることも多く、薬剤師としてリードする場面が多々あります。その分責任も大きく緊張感を持って仕事に取り組めており、患者の抱える問題が改善された時、喜びもひとしおです。また、病棟業務や調剤業務以外にも、外来患者の入院支援や麻薬使用患者のフォローなど、様々な携わり方ができます。日々新たな発見があり、その度に成長したいと感じます。
【薬学生に一言】
今やりたいことがないと悩んでいる方も、目の前の患者が抱える問題に全力で取り組む中で、自ずと掘り下げたい分野が出てきます。また「病院はしんどそう」、「ついていけるかな」といった不安な気持ちは誰もが抱いて入社しています。大事なのは、患者を笑顔にしたいという気持ちです。それが原動力となって仕事に打ち込めるようになりますし、その成長したいという気持ちに応えてくれる環境が当院薬剤部にはあります。様々な専門領域の先輩がいて、専門性を追求する環境が整っています。もちろん、やりたい分野や携わりたい科がある方もぜひ当院へ来てください。

先輩情報:渕上 翔太

入社年度 2019年度
卒業大学 大阪大学
【やりがい】
私は自身の成長を実感できたときにやりがいを感じます。業務の中で知識不足を痛感することが多々あり、その都度情報収集を行います。そんな中、これまでに学び身につけたことを業務の中で発揮できたときに、自身の成長を感じることができます。それらがさらに深く、あるいはより幅広くというように自身の向上心をかき立て、日々のモチベーションにもつながっています。これからも自身の成長を患者さんのために発揮できるように、積極的に学ぶ姿勢を大切にしていきたいと思います。
【薬学生に一言】
薬剤師の活躍の場としては病院・調剤薬局・ドラッグストアなどありますが、もし職場選びに迷っているのであれば当院のような総合病院をおすすめします。多種多様な領域の症例やたくさんの患者さんに出会うので、幅広い知識が身につき、豊富な経験ができると思います。私自身がそうだったように、その中で興味のある領域や特に力を入れたい領域がきっとみつかることでしょう。