クオリティ・インディケーター

6.薬剤に関連する指標

6.1 ワルファリン服用患者における出血傾向のモニタリング

6.1.1 入院患者の場合

2015年度
3.7%
分子:過去1年間のINR検査値が1度でも5を超えた入院患者数(41人)
100%
分母:過去1年間のワルファリン服用入院患者数(1,115人)

年度別のグラフはこちら

6-1 血栓による血管塞栓の予防薬であるワルファリンは、効かなければ血栓が形成され、効きすぎれば出血性の合併症につながります。また、ワルファリンの効果は、食生活や他の薬剤の影響を受けやすく、個人差も大きく、同じ患者さんでも投与時期によって適切な量が一定しないという難しさがあります。処方する際には微妙な調整が必要で、INR検査値を目安にワルファリンの適正量を決めます。(INR : International normalized ratio)
入院患者さんのINR検査値が5を超えるということは、ワルファリンが効きすぎていると考えられます。しかし、入院患者さんの場合は高頻度に十分なモニタリング下で抗凝固療法が行われます。

* Australasian Clinical Indicator Report 2001 – 2008 10th edition

6.1.2 外来患者の場合

2015年度
61.4%
分子:過去1年間のINR平均値が1.7~2.5の外来患者数(434)
100%
分母:過去1年間のワルファリン服用外来患者数(707)

年度別のグラフはこちら

外来患者さんの場合、ワルファリン量を持続的に管理して行くことが重要です。目標値として1.7≦INR≦2.5を設定し、範囲内で維持できていた割合でワルファリン調整の程度を表します。しかし、外来患者さんではワルファリンを初めて服用する患者さんが多く含まれることや、受診間隔のばらつきにより投与量の微調整が困難なことから低い値になると思われます。

* Australasian Clinical Indicator Report 2001 – 2008 10th edition

6.2 入院患者のうち服薬指導を受けた者の割合

2015年度
69.4%
分子:新規入院患者に対して服薬指導した人数
100%
分母:新規入院患者数

分母除外:正常新生児

年度別のグラフはこちら

6-2  病院薬剤師が病棟で行う業務には、薬剤管理指導業務と病棟薬剤業務があります。前者は服薬指導や服薬後の副作用のモニタリング、後者は持参薬チェック、薬物療法の適正化などを含みます。
服薬指導は患者さんが薬物治療の重要性を理解することを助け、服薬後の副作用防止を図ります。薬剤師がより多くの入院患者さんに関わることで薬物療法の質が向上すると考えられます。
補足:数値の算出は医事加算の可否を加味していません。加算対象でない患者さんが含まれています。

6.3 ステロイド服薬患者の骨粗鬆症予防率

6.3.1 ビスフォスフォネートの処方率

2015年度
39.2%
分子:各年度のプレドニゾロン7.5mg以上を処方された当該患者に対して最終オーダ日より90日以内にビスフォスフォネート製剤を外来処方した患者数(197)
100%
分母:各年度のプレドニゾロン7.5mg以上(散剤)またはプレドニゾロン錠7.5mg以上(錠剤)、かつ外来処方で90日以上処方した患者数(502)

年度別のグラフはこちら

医薬品によって起こる骨粗鬆症の原因として最も頻度が高いのは副腎皮質ステロイドです。ステロイド性骨粗鬆症の特徴は、年齢、性、人種にかかわらず発症し、骨密度低下よりも骨強度低下に伴う骨折リスク増加が大きいことです。なおわが国では、約100万人の患者さんが、経口ステロイド薬を3ヶ月以上使用されているとされます。治療薬の第一選択はビスフォスフォネート製剤、第二選択は活性型ビタミンD3とビタミンK2とされています。