クオリティ・インディケーター

5.看護に関連する指標

5.1 7対1入院基本料で「一般病棟用の重症度・看護必要度」の基準を満たす患者の割合

2015年度
18.7%
分子:一般病棟入院基本料算定病棟に入院した患者のうち、重症度・看護必要度の基準を満たす患者数(A得点が2点以上かつB得点が3点以上)(33,074)
100%
分母:一般病棟入院基本料算定病棟に入院した患者延数(177,159)

分母除外:産婦人科、15歳未満の小児患者、CPA患者
※基本診療科の施設基準準拠

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看護必要度は、診療の補助業務及び療養上の世話など、看護の必要性を計測するツールであり、「基準を満たす患者の割合」は、それが高い患者の割合が15%以上というのが7対1入院基本料の基準です(平成24年度診療報酬)。従来、看護基準は患者対看護職員数の人員配置のみでしたが、それを近年、看護必要度が高い患者の割合によって診療報酬も決められるようになってきました。高度急性期病床では将来必須となる指標です。また、病棟の人員配置も看護必要度により算出する医療機関も増えてきました。
当院では必要度評価の妥当性・信頼性を高めるために計画的に評価者育成および評価内容、看護記録の監査をおこなっています。

5.2 入院患者の転倒・転落発生率、転倒・転落による損傷発生率

5.2.1 入院患者の転倒・転落発生率

2015年度
1.9%
分子:インシデント・アクシデントレポートが提出された入院中の転倒・転落(447)
100%
分母:入院延べ患者数(23,786)

分子除外:訪問者、スタッフなど入院患者以外の転倒・転落は除く

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5-2 入院患者さんが安全に療養に専念し、その病気を治療して退院していただくことは基本ですが、不幸にして転倒したり、ベッドから転落してしまう事故は発生してしまいます。
当院ではその事例を報告するシステムを構築して、転倒・転落の原因や要因を分析し、予防策を立案しております。
転倒・転落の発生率を算出することにより、予防への取り組みを効果的に行えているかどうかの指標を出すことは重要と考えています。

5.2.2 入院患者の転倒・転落による損傷発生率

2015年度
0.02%
分子:インシデント・アクシデントレポートが提出された転倒・転落件数のうちレベル3b以上の数(4)
100%
分母:入院延べ患者数(23,786)

分子除外:訪問者、スタッフなど入院患者以外の転倒・転落は除く

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入院患者さんが転倒、転落により重度の障害を負ってしまった場合、施設整備面を含め深く検討していく必要があります。
その重症な事故の発生率を指標とすることは重要です。
レベル3b以上とは「濃厚な処置治療を要した、永続的な障害または死に至った」事故。

5.3 転倒転落アセスメント実施率、予防対策立案率、説明文書発行率

5.3.1 転倒転落アセスメント実施率

2015年度
92.4%
分子:入院後初回の転倒・転倒アセスメント実施者数(19,442)
100%
分母:入院患者数(21,031)

分母除外:
・15歳未満の患者数
・入院に至らなかった救急外来死亡患者数
・退院当日入院した患者は再入院時のアセスメントを対象にする

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5-3  すべての入院患者さんに対して予防策を実施し、リスク回避をすることは、患者さんが安全に療養生活を送るための重要な項目と考えます。そのため、入院患者さんの転倒・転落のリスクを的確にアセスメントし対策を立案、実行することにより転倒・転落予防に効果的と考えます。当院では転倒転落アセスメントスコアシートに入力することで危険度を点数で表せるようにしています。そのうち危険度Ⅱ以上(スコア合計6点以上)で計画立案、説明文書を発行することによりリスク回避を図っています。そのため、全入院患者さんにアセスメントを実施できることが望ましいことから数値を明確化し、実施率100%を目指するよう働きかけています。
当院の実施率は15歳未満の患者さんを除き実施率は92.4%です。今後残りの8%についてアセスメントが実施されていないことに対し調査、検討が必要になってきます。

参考:危険度と評価のスコアの合計
危険度Ⅰ(0〜5点)  転倒転落を起こす可能性がある
危険度Ⅱ(6〜15点)  転倒転落を起こしやすい
危険度Ⅲ(16点以上) 転倒転落をよく起こす

5.3.2 予防対策立案率

2015年度
72.8%
転倒・転落アセスメント実施者で危険度II以上(スコア合計6点以上)の患者のうち、予防策が立案されている患者(8,895)
100%
分母:転倒・転倒アセスメント実施者のうち、危険度Ⅱ以上(スコア合計6点以上)の患者(12,219)

※予防策とは、看護診断で「身体損傷リスク状態」、または「転倒リスク状態」が選択されている場合。

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入院時には全ての患者さんに対して「転倒転落アセスメントシート」を用いて患者さんの転倒歴、感覚機能、運動機能、活動領域、認識力などについて把握をしています。
アセスメントシートのチェックで、転倒転落の危険性が高い患者さん(危険度Ⅱ以上)に、看護計画を立案し予防対策を行っています。
当院は急性期治療の患者さんが多く、さまざまな要因から転倒転落の危険が高い状況下であります。危険度の高い患者さんに対して予防策がとられているかの指標を出すことは、重要であると考えています。

5.3.3 説明文書発行率

2015年度
75.3%
分子:転倒・転倒アセスメント実施者で危険度Ⅱ以上(スコア合計6点以上)の患者のうち、「転倒・転倒防止に関する説明同意書」が発行され、説明が行われている患者(9,204)
100%
分母:転倒・転倒アセスメント実施者のうち、危険度Ⅱ以上(スコア合計6点以上)の患者(12,219)

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「転倒転落アセスメントシート」で転倒転落事故の危険性が高い患者さん(危険度Ⅱ以上)は、患者さんとご家族へ「転倒・転落防止に関する説明同意書」をお渡しして説明を行っています。
入院中は環境が変化し、点滴やチューブ類の挿入、薬剤の関係や不眠などの要因から、患者さんが入院前に自分でできていたこともできなくなり、患者さんが不用意に動かれることがあります。そして予測がつかない転倒転落事故が発生することが多くあります。その説明と同意を得て安全対策がとられているかの指標を出すことは重要であると考えています。

5.4 看護必要度「計画に基づいた10分間以上の指導:あり」の評価率

2015年度
6.3%
分子:看護必要度で「計画に基づいた10分間以上の指導:あり」と評価された患者数(17,064)
100%
分母:入院延べ患者数(270,418)

分母除外:
・入院に至らなかった救急外来死亡者数
・深夜・日勤・準夜とも不在の患者数
※看護必要度「一日単位」の評価を対象とする

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看護必要度は患者さんに提供されるべき看護の必要量をはかるツールであり、看護の質を評価するうえで重要な指標となります。処置やケアをするだけでなく、その専門性に基づいて指導を行うことは重要で、患者さんの疾病の治癒に大きく影響すると考えられます。
そのため、この評価項目は看護師が立案し、かつ実行前に記録がされている計画に基づいて行う、「1回10分間以上の患者・家族等への指導」と定義されており、その記録があるものを「あり」としています。
現在6.3%という結果でありますが、今後、看護師が必要な患者さんに必要な看護を行っているという記録を残していくためにも、看護師たちに浸透させていかなくてはならない項目と考えます。
注:看護師等は看護師・准看護師・助産師・保健師をいう

5.5 看護必要度「(看護計画に基づいた)10分間以上の意志決定支援:あり」の評価率

2015年度
1.1%
分子:看護必要度で「(看護計画に基づいた)10分間以上の意思決定支援:あり」と評価された患者数(3,072)
100%
分母:入院延べ患者数(270,418)

分母除外:
・入院に至らなかった救急外来死亡者数
・深夜・日勤・準夜とも不在の患者数
※看護必要度「一日単位」の評価を対象とする

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5-5 患者さんが自分自身の状況を正しく認識できるよう、十分に情報提供し意志決定支援を行うことは看護上重要です。常に、患者さんの状態を理解し寄り添う存在である看護師の支援の意義は大きいと考えます。
「計画に基づいた10分間以上の意志決定支援」は、患者さん自身が自分の状況を正しく認識できるように、医療者が十分な情報を提供すること、等を言います。この項目は、緊急入院や急変時を除き、事前に計画・立案がされていることが原則になります。かつ、診療録に看護師等はどのように支援を行ったのか、それに対して患者さんの反応はどうであったか等、記録されていることが必要となってきます。
現在、当院の実施率は1.1%です。患者さんの状態を理解し寄り添う看護師の支援の意義は大きいので、今後さらに実施率を高めていきたいと考えます。

5.6 褥瘡発生率

5.6.1 褥瘡発生率

2015年度
0.1%
分子:分母対象患者のうち、d2以上の褥瘡の院内新規発生患者数(326)
100%
分母:入院延べ患者数(264,925)(241,770+23,155)

分子包含:院内で新規発生の褥瘡(入院時刻より24時間経過後の褥瘡の発見または記録)、深さd2以上の褥瘡、深さ判定不能な褥瘡、深部組織損傷疑い

分母除外:
・日帰り入院患者(同日入退院患者も含む)
・入院時すでに褥瘡保有の記録がある患者(*1)
・対象期間より前に褥瘡の院内発生が確認されている継続入院患者(*2)の入院日数
*1 院内で新規発生に限定
*2 すでに褥瘡が発生している患者を除き、対象期間内に院内で新規発生した患者に限定

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院内で新規に発生した褥瘡患者さんの比率です。
ある期間内の褥瘡の深さd2以上の新規発生の褥瘡患者さんの比率で、その期間内の発生率をより正確に算出できます。

5.6.2 褥瘡推定発生率

2015年度
2.1%
分子:調査日に褥瘡を保有する患者数一入院時に既に褥瘡保有が記録されていた患者数(15)
100%
分母:調査日の施設入院総患者数(706)

注1:調査日の施設入院患者数
調査日に入院または入院予定患者は含めない
調査日に退院または退院予定患者は含める
注2:1名患者が褥瘡を複数部位有していても、患者1名として数える
注3:入院時既に褥瘡を保有していた患者であっても、新たに入院中に褥瘡が発生した場合は入院褥瘡発生者として取扱い、褥瘡推定発生率を算出する

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院内で新規に発生した褥瘡患者さんの推定の比率です。
ある日にちの褥瘡患者さんの数をみることによって新規に発生した褥瘡患者さんの比率が推定できます。褥瘡発生率よりは正確さに欠けますが、ある日にちの褥瘡患者さんの数と入院時の褥瘡保有患者さんの数がわかると算出できるので、計算しやすい長所があります。

5.7 高齢患者(75歳以上)における褥瘡対策の実施率

2015年度
88.0%
分子:褥瘡対策が実施された患者数(2,012)
100%
分母:入院時に褥瘡および褥瘡発生リスクが認められた高齢患者(75歳以上)(2,286)

分母除外:
・片麻痺、下肢麻痺、四肢麻痺、二分脊椎、無酸素性脳損傷の診断がある患者
・退院時転帰が「死亡」である患者

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褥瘡発生の恐れがある高齢患者さんに褥瘡対策を行っている比率です。