クオリティ・インディケーター

9.呼吸器に関連する指標

9.1 肺炎患者の死亡率

2015年度
14.8%
分子:死亡患者数(96)
100%
分母:18歳以上の退院時主病名が肺炎である患者数(648)

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肺炎の原因や種類は、市中肺炎、院内肺炎、誤嚥性肺炎、細菌性、ウイルス性など雑多であり、また経過は重症度、年齢、基礎疾患の有無等により異なります。肺炎患者の死亡率は、原因感染症の流行状態、薬剤耐性率、基礎疾患の構成により経年的に変動するので、治療の適否、院内感染の制御にも左右されますが、肺炎以外の総合的な重症度、地域から受入れを要請される診療機能に比例されます。当院では全身状態に問題の無い肺炎は外来で治療しているため、入院する肺炎は全身状態の不良な肺炎、人工呼吸を要する重症肺炎、基礎疾患に合併した難治性肺炎、他院で肺炎の治療に難渋して紹介された例、施設療養中に発症した終末期肺炎、意識障害などで救急搬送された例などの重症肺炎が多くなります。

9.2 肺がんで肺切除術を受けた入院患者のうち、術後30日以内の死亡率

2015年度
1.1%
分子:手術後30日以内に死亡した退院患者数(がん以外が死亡原因である場合も含む)(1)
100%
分母:「肺がん」治療目的として入院し、入院期間中に肺切除術を受けた退院患者数(95)

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肺癌治療において手術はもっとも効果の高い治療法です。我々は通常、肺癌の状態(病期)と患者さんの身体能力、臓器機能によって、どのような手術が適しているのかを判断しています。肺癌治療のゴールは肺癌が完全に治ることで、5年もしくは10年生存割合と呼ばれる指標があります。手術はこの指標において他の治療法より優れているのですが、手術に伴う危険は避けて通れません。せっかく肺癌が治療の見込みがあったのに手術で命を落とすこともあるのです。本当に手術が悪影響をおよぼしたのかどうかの判断は難しいので、客観的に手術を受けて30日以内に死亡した場合はその手術に関連した死亡と考えます。死亡率というのは、肺癌手術を受けた人のなかでこのような死亡がどの程度起こるのかを示したものです。
近年、手術方法や麻酔技術の向上によって、この死亡率は飛躍的に改善してきました。また、手術は外科医の技量だけで決まるものではなく、手術後の看護やリハビリなど多くの職種の協力もその改善に貢献しています。そのためこの指標は、手術にかかわるチームの指標でもあります。できるだけ多くの人を手術によって助けようとすればするほど、危険(死亡率)もより高くなりまます。そのため、この指標だけではそのチームの優劣は決まりませんが、チーム医療の指標として我々は死亡率0%を大きな目標に日夜努力しております。