ゲノムとはDNAに含まれる遺伝情報全体を指し、その遺伝情報をもとに私たちの体は構成されています。その情報を網羅的に調べて結果をもとに、より効率的かつ効果的に病気の診断や治療を行うのがゲノム医療です。近年の分子遺伝学研究の進展により、病気とゲノムのかかわりが次々に明らかにされてきています。薬に対する副作用が出にくいか、がんや生活習慣病などにかかりやすいかどうかなど治療の選択や予防医学などにもゲノム検査の適応が拡大しています。
ゲノム医療センターでは、臨床遺伝専門医がカウンセリングを通じて状況や情報を整理し、適切な検査や治療を受けていただけるように考えたり、心配事を解決できるよう一緒に考えたりしていきます。
がんゲノム医療とは主にがんの組織を用いて複数の遺伝子を同時に調べ、遺伝子の違いを明らかにすることにより一人ひとりの体質や病状に合わせて治療を行う医療です。当院は2018年3月末に厚生労働大臣より『がんゲノム医療連携病院』に指定されており、名古屋大学医学部附属病院とグループを組んで連携病院としてがんゲノム医療を推進しています。がん診療推進センターや各診療科と連携をして、適切な遺伝カウンセリングのもとで検査を進められるよう、体制を整えています。
昨今では人間の遺伝子の配列が全て同定され、遺伝性疾患の原因遺伝子が日々明らかにされています。遺伝カウンセリング外来では、遺伝性の疾患や遺伝についての不安や悩みをお持ちの方を対象として相談をお受けしています。