近年の急速なヒトゲノム研究の進歩に伴い、遺伝子解析が可能な疾患が増え、遺伝性疾患に対する治療薬の選択、薬剤の副作用まで予想することが可能となってきました。これら遺伝学的検査で明らかになる遺伝情報は、患者さんだけでなくご家族の方々にも関連してくることがあります。
臨床遺伝診療科では、遺伝に関する様々なご相談をお受けしています。臨床遺伝専門医を中心とするスタッフと各専門診療科が連携して、出生前診断・遺伝性疾患・家族性腫瘍などに関する遺伝カウンセリングを行います。私たちは、遺伝や遺伝に関わる病気のことで、不安や悩み、問題を抱えている来談者(クライアント)やご家族の方々に、遺伝に関する正しい知識と最新の情報を提供し、倫理的な問題も含めて、最良の意志決定ができるよう、医療・心理両面から継続的な支援をしていきます。
顔写真 | 役職名 氏 名 |
資 格 取得年 |
主な専門領域 | 資 格 |
臨床遺伝診療科部長 第二産婦人科部長(兼) 総合周産期母子医療 センター長(兼) ゲノム医療センター長(兼) 加藤 紀子 |
昭和62年 | 臨床遺伝、周産期医療、産婦人科一般 | 臨床遺伝指導医・専門医、日本産科婦人科学会指導医・専門医、母体保護法指定医、日本周産期新生児医学会母体・胎児指導医・専門医、新生児蘇生法「専門」コースインストラクター、日本女性医学学会認定女性ヘルスケア指導医・専門医、名古屋市難病指定医 | |
小児腎臓科部長 後藤 芳充 |
昭和63年 | 臨床遺伝、小児一般、小児腎臓病 | 日本小児科学会専門医・指導医、日本腎臓学会専門医、日本小児腎臓病学会評議員、日本臨床腎移植学会腎移植専門医、日本移植学会移植認定医 |
役職名 氏 名 |
資 格 取得年 |
主な専門領域 | 資 格 |
新生児科副部長 幸脇 正典 |
平成5年 | 新生児 | 臨床遺伝専門医、医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本周産期・新生児医学会周産期指導医・専門医(新生児)、インフェクションコントロールドクター(ICD) |
新生児科副部長 ゲノム医療副センター長(兼) 山田 崇春 |
平成15年 | 臨床遺伝、小児一般、周産期医療 | 臨床遺伝専門医、日本小児科学会専門医・指導医、日本周産期・新生児医学会専門医、NCPR(新生児心肺蘇生法)インストラクター、インフェクションコントロールドクター(ICD)、小児慢性特定疾病指定医 |
非常勤嘱託医師 圓若 かおり |
平成15年 | 臨床遺伝、小児一般、小児内分泌疾患 | 臨床遺伝専門医、日本小児科学会専門医・指導医 |
遺伝子や染色体の変化などによって引き起こされる病気を、広く「遺伝性疾患」といいます。決して親から子に伝わることによっておこる病気だけを意味するのではなく、突然変異という現象により遺伝子や染色体の変化が起こることもあります。だれもが皆、疾患の原因となる遺伝子を数個は持っていて、最近ではほとんどすべての病気に遺伝的素因が関係しているといわれています。
昨今では人間の遺伝子の配列が全て同定され、遺伝性疾患の原因遺伝子が日々明らかにされています。遺伝カウンセリング外来では、遺伝性の疾患や遺伝についての不安や悩みをお持ちの方を対象として相談をお受けしています。正しい知識と情報の提供を行い、理解を深めていただいた上で最善の選択をしていただけるように一緒に考えていきます。
ご相談内容は、「遺伝」に関することなら何でもお受けいたします。 たとえば、遺伝カウンセリング外来では、このような質問にお答えします。
・子どもの病気が遺伝によるものですか?もしそうなら、今後どのようなことが予想されますか?
・子どもに生まれつきの病気がありますが、次の子どもも同じ病気になりますか?
・羊水検査を勧められましたが、検査を受けるとどのようなことが分かりますか?
・私(夫、子ども、親)の病気は、遺伝しますか?
・私の家系にはがんが多いですが、私もがんになりやすいのですか?
・家系の中には誰もその病気の人はいないのに、子どもは遺伝病といわれました。どうしてですか?
・がんの遺伝子検査を受けたいのですが、どうしたらよいですか?
水・金曜日午後:14~16時
遺伝カウンセリングについては基本的には自費診療となり、下記の費用がかかります。
指定難病診断の場合は保険診療となります。
1.自費の場合(税別)
遺伝カウンセリング料(1回目):10,000円(1時間以内)延長の場合は30分毎に3,000円
遺伝カウンセリング料(2回目以降):6,000円(1時間以内)延長の場合は上記同様
別途、遺伝学的検査料(実費)が必要となります。
2.保険収載の場合
遺伝学的検査:38,800円~+遺伝カウンセリング加算:5,000円(税別)の3割負担
「遺伝子の検査をしたいのだが、どこに依頼すればいいのかわからない」、「自分の診ている患者さんが、家族性の病気のようだがどこに相談すればいいのかわからない」など、遺伝に関することなら可能な限りお手伝いさせていただきます。先ずは、各専門診療科へお気軽にご紹介ください。