入院患者数は約1,000例/年で、約半数が脳梗塞です。脳神経内科医師による当直体制を敷き、MRIは随時撮像できるので、救急外来で脳梗塞の病型を診断し、治療を開始できます。t-PA治療、緊急血管内治療の経験も豊富です。脳卒中センター35床(Stroke Care Unit 8床含む)は脳神経外科と共同運用しています。集約的治療のため多職種とのチーム医療を実践しています。退院後もリハビリが必要な患者さんは脳卒中地域連携パスを利用した転院調整をしています。
脳炎、ギラン-バレー症候群、多発性硬化症などの神経救急疾患、脊髄疾患やパーキンソン病などの診療には豊富な経験があります。手術が必要な例では、脳神経外科、脊椎外科との合同カンファランスで適応が検討されます。大学教官やエキスパートによる検査・指導体制、共同研究があり、学会発表、論文報告など学術活動にも力を入れています。また啓発活動として八事脳卒中市民公開講座を年に1回程度開催しています。
当科が対応する患者さんの主な症状
・頭痛
・力が入らない(脱力)
・しびれ
・めまい
・けいれん
・歩きにくい、ふらつく
・しゃべりにくい
・意識障害
・手足が勝手に動く
・物忘れ
主な対応疾患とその標準的な治療法
急性期脳梗塞
詳細な診察と画像検査を行い、抗血栓薬(t-PAなどの血栓を溶かす薬)や脳保護薬を使います。早期からリハビリテーションを追加します
てんかん
抗けいれん薬を使い、酸素を吸入します
パーキンソン病、パーキンソニスム
詳細な診察と画像検査で正確に診断し、抗パーキンソン病薬を使います。
状況に合わせて特定疾患を申請します
髄膜炎、脳炎
髄液検査と画像検査を行い、病原微生物に合わせて抗菌薬を使います
脊髄小脳変性症
詳細な診察と画像検査、遺伝子検査で正確に診断し、特定疾患申請と脊髄小脳変性症治療薬を使います
ギランバレー症候群
詳細な診察と電気生理検査で正確に診断し、ガンマグロブリン製剤や血漿交換(血液の中の血漿を健康な方のそれと置き換えて有害な物質を取り除くこと)を行います
アルツハイマー病
詳細に病歴聴取して血液検査、画像検査、
高次脳機能検査(認知機能を調べます)を行い、抗認知症薬を使います
筋萎縮性側索硬化症
詳細な診察と画像検査を行い、特定疾患申請と筋萎縮性側索硬化症用剤を使います。
患者さんの希望に合わせて療養方法を検討します
多発性硬化症、視神経脊髄炎
詳細な診察と画像検査を行い、特定疾患を申請します。
急性期にはステロイドパルス療法や血漿交換(血液の中の血漿を健康な方のそれと置き換えて有害な物質を取り除くこと)を行います。
再発予防に多発性硬化症治療薬または経口ステロイド薬、免疫抑制薬を使います
片頭痛
詳細に病歴聴取して画像検査を行い、片頭痛治療薬を使います
めまい症
詳細に病歴聴取して画像検査を行います。
末梢性めまいであれば抗めまい薬を使います
頚椎症
詳細な診察と画像検査を行い、必要に応じて整形外科手術を勧めます。
保存治療の場合、日常生活指導と装具を作成します
顔面神経麻痺
詳細な診察と画像検査、電気生理検査を行います。
末梢神経障害の場合、ビタミン薬を使います
顔面けいれん
詳細な診察と画像検査を行い、抗けいれん薬やボツリヌス療法を行います
多発性筋炎
詳細な診察と画像検査、電気生理検査、筋生検を行います。
急性期にはステロイドパルス療法や血漿交換(血液の中の血漿を健康な方のそれと置き換えて有害な物質を取り除くこと)を行います。
再発予防が必要な場合、経口ステロイド薬や免疫抑制薬を使います
顔写真 | 役職名 氏 名 |
資 格 取得年 |
主な専門領域 | 資 格 |
副院長 第一脳神経内科部長(兼) 安井 敬三 |
平成3年 | 神経内科学、脳血管障害、脊椎・脊髄疾患、変性・脱髄疾患 | 日本神経学会指導医・神経内科専門医・認定医、日本脳卒中学会脳卒中指導医・専門医、日本内科学会総合内科専門医・認定内科医 ・指導医、日本認知症学会認知症指導医・専門医、医学博士 | |
第二脳神経内科部長 原 一洋 |
平成15年 | 神経内科学 | 医学博士、日本神経学会指導医・神経内科専門医、日本内科学会総合内科専門医・認定内科医 |
役職名 氏 名 |
資 格 取得年 |
主な専門領域 | 資 格 |
第一脳神経内科副部長 荒木 周 |
平成16年 | 神経内科学 | 日本神経学会指導医・神経内科専門医、日本内科学会認定内科医、医学博士 |
医師 浅野 剛平 |
平成29年 | 神経内科学 | 日本神経学会神経内科専門医、日本内科学会内科専門医、JMECCインストラクター |
医師 柳澤 哲朗 |
平成30年 | 神経内科学 | 日本専門医機構認定内科専門医 |
常勤嘱託医師(専攻医) 鈴木 絵理佳 |
平成30年 | 神経内科学 | 日本内科学会内科専門医 |
常勤嘱託医師(専攻医) 松本 俊平 |
平成31年 | 神経内科学 | |
常勤嘱託医師(専攻医) 近藤 光 |
令和2年 | 神経内科学 | |
非常勤医師 髙橋 昭 |
昭和31年 | 神経内科学 | |
非常勤医師 古池 保雄 |
昭和46年 | 電気生理学 | |
非常勤医師 寳珠山 稔 |
昭和61年 | 電気生理学 | 日本神経学会指導医・神経内科専門医、日本臨床神経生理学会専門医、日本内科学会認定内科医 |
非常勤嘱託医師 植松 高史 |
平成24年 | ||
非常勤嘱託医師 大羽 知里 |
平成24年 |
神経疾患において、救急医療、高度医療を中心に幅広い診療を行っている。病診連携、病病連携を重視しており、脳卒中地域連携パスの運用率が高い。紹介患者さんは原則、治療後は紹介医に継続治療をお願いしている。認知症はおもに精査による鑑別を担い、かかりつけ医と協力して治療を行っている。
日本神経学会教育施設、日本脳卒中学会認定研修教育病院、日本認知症学会研修教育病院の資格を有する。