当院は2009年に総合周産期母子医療センターとして県から指定を受け、現在 MFICU(母体胎児集中治療室)6床、NICU・GCU(新生児治療室)35床を有し、24時間体制で出産前後のお母さんと赤ちゃんの治療にあたっています。センター開設以来、新生児科と連携を密にとって、県内各地の病院から母体搬送を積極的に受け入れております。 特に母体救命にかかわる搬送はすべての受け入れを原則として、麻酔科や救急科、各診療科の協力のもと最適な治療を行っており、胎児を30分以内に娩出する超緊急帝王切開の体制も整えています。
2013年から、やごと周産期ネットワークを開設し、近郊の産科施設と連携しながら妊婦健診を行っています。2017年からは、妊産婦の脳卒中による重症管理を円滑に行うために、「周産期脳卒中センター」も開設しました。今後も総合周産期母子医療センターとして、医師、助産師、看護師、薬剤師など、様々な職種が産科チームとして一丸となり、お母さんと赤ちゃんのために、安全で質の高い医療を提供し、地域からも信頼をいただけるよう、スタッフ一同努めてまいります。
胎児心臓病認定医と検査技師のチームで検査しています。検査は、胎児に影響の少ない超音波検査装置を使用します。検査の結果で、より適切な分娩のタイミングを決めたり、出生後の治療の準備をします。また、不整脈等の胎児治療が可能な疾患では妊娠中に治療も行っています。
妊娠・出産に伴う脳卒中(脳出血や脳梗塞など)は、妊産婦死亡の主要な原因です。発症初期は様々な症状があり、診断はとても難しいですが、早期診断と治療が必要です。そのために、脳神経外科、脳神経内科と連携して、2017 年から周産期脳卒中センターを開設しました。24時間体制で、画像診断し、急性期脳卒中治療につなぎます。
下半身麻酔の一種である硬膜外麻酔を用いて産痛を和らげながら行うお産です。欧米では一般的に行われており、妊婦さんの負担軽減が大きなメリットとなります。麻酔はすべて麻酔科医が行うため、安全で質の高い硬膜外麻酔(無痛)分娩が可能です。
妊娠中や分娩中に、予期せぬ緊急事態が発生し、胎児をできるだけ早く帝王切開で分娩したほうがいい場合がどの妊婦さんにも起こり得ます。このような事態に備えて、事前に手術・麻酔・輸血の必要性・危険性・合併症について説明しています。緊急帝王切開術が必要な場合では、胎児を早く分娩させるため、母体の手術前の検査を行う時間がないことや、ご家族への連絡も不充分となる可能性がありますが、母体と胎児の安全を守るために、最善の努力をし、適切に対応させていただきます。また、妊娠中、母体の合併症疾患や予期せぬ事故のため、急変が生じたときは、積極的に蘇生処置をします。心肺再開しない場合には、母体と胎児の救命を目的とした緊急帝王切開術(死戦期帝王切開術)を施行します。この場合、緊急の事態のため、ご家族への連絡や説明が遅くなる可能性がありますが、可及的速やかに適切な治療をさせていただきますのでご了承ください。