自然災害が発生し、その国の対応能力を超えた救援活動が必要と判断される場合、被災国の赤十字・赤新月社は救援活動を続けながら、国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)に国際的な支援を要請します。連盟はニーズ調査に基づき、国際的な支援要請を発表し、これに対して各国赤十字・赤新月社は資金・物資・救援要員派遣などの支援を行います。日本赤十字社は、診療所緊急対応ユニット(ERU)を装備しており、被災国赤十字・赤新月社の救援活動をサポートする形で、診療所等を設置しての基本的な医療、母子保健、予防接種等を行います。日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院は、2001年インド地震へ初めて日赤がERUを出動させた時から、救援要員を積極的に派遣しています。2017年バングラデシュ南部避難民救援活動には、先遣隊からERU第6班まで、計16名の職員を切れ目なく派遣しました。
緊急救援ユニット(ERU)とは、各国の赤十字社や赤新月社が保有する救援用の特別な資機材と訓練された要員の総称をいいます。救援物資配給、給水衛生、病院、診療所、ITなど様々な種類のERUがあり、大規模災害時に各国赤十字社が国際赤十字・赤新月社連盟の傘下で共通の装備・機材を用いて活動することにより、互いに連携を保ち、総合的な活動を行います。
ERUについての説明は、日本赤十字社ホームページからもご確認いただけます。
https://www.jrc.or.jp/international/about/saigai/
赤十字は、被災した人々のいのちと健康、尊厳を守ることを目的に、人々が自らの力で立ち直り、健康で自立的な生活を取り戻すために必要な支援を行います。そのため、災害発生直後の緊急救援時から、被災国赤十字社や地域の人々と協働し、救援から復興、そして防災対策までを継ぎ目なく実施します。