糖尿病患者さんの中には、病気への理解の手助けや療養生活のサポートが必要な方も少なくありません。糖尿病には、網膜症・神経症・腎症などの合併症があります。
こうした合併症の重症化予防や患者さんが安心して生活出来るように糖尿病教室や糖尿病のつどいなどの活動を行うのが糖尿病サポートチームです。
<メンバー構成>
■ 医師(日本糖尿病学会認定医含む)
■ 看護師(糖尿病看護認定看護師、日本糖尿病療養指導士含む)
■ 薬剤師(日本糖尿病療養指導士含む)
■ 管理栄養士(日本糖尿病療養指導士含む)
■ メディカルスタッフ(臨床検査技師、視能訓練士、歯科衛生士、SW、事務など
<臨床検査技師の活動>
■ 糖尿病病棟指導:週1回
■ 糖尿病教室:月1回
■ 糖尿病のつどい(毎年11月):年1回
患者さん対象 糖尿病教室の様子 |
糖尿病サポートチーム定例会議の様子 |
病院には多くの患者さんが入院しており、細菌やウイルスなどの微生物に対して抵抗力が低下している患者さんも少なくありません。病院は院内感染のリスクと常に向き合っています。院内で起こる感染症から患者さんやご家族を守り、さらには病院スタッフの安全を守るために活動を行うのが感染対策チーム(ICT)です。
<メンバー構成>
■ 医師(インフェクションコントロールドクター;ICD含む)
■ 非常勤感染症医師
■ 感染管理認定看護師 (ICN)
■ 感染制御認定薬剤師 (BCPS)
■ 感染制御認定臨床微生物検査技師 (ICMT)
■ 看護師
■ メディカルスタッフ (臨床検査技師、放射線技師、理学療法士、事務等)
■ ICリンクスタッフ(看護師、薬剤師、メディカルスタッフ、事務を含む)
※ 多くの職種で構成されるICTは、チーム一丸となって院内感染対策に取り組んでいます。
<活動>
■ 週1回感染対策ラウンド
■ 週1回抗菌薬適正使用カンファレンス
■ 月1回ICTミーティング
■ 月4回院内ラウンド
■ 年2回講習会(ICTメンバーによる講習会)
■ 年1回講演会(外部より講師を招き、院内感染対策について学ぶ)
■ ICTニュース発行
■ リンクスタッフ勉強会
ASTカンファレンスの様子 |
<臨床検査技師の立場>
微生物検査技師は、ICTにおいては臨床微生物学に関する知識や技術を活用してチームに貢献します。特に薬剤耐性菌は、院内感染対策上で最も警戒すべき対象の1つで、こうした耐性菌をいち早く確実に検出することが重要です。微生物検査技師が耐性菌を見逃せば、院内で広がる可能性がありますので、「耐性菌対策の門番」とも言えます。
<主な仕事>
■ 耐性菌および監視菌検出情報の提供
■ 血液培養陽性患者の報告
■ アンチバイオグラムの作成
■ 各種微生物検出情報の集計
■ 耐性菌遺伝子検査
■ 分子疫学的解析に基づく、感染対策への情報フィードバック(下図)
POT法を用いたMRSAの分子疫学解析
これによって院内で検出されたMRSAが同一のものかどうかを推察できる
医療関連の感染制御に貢献できる臨床微生物検査技師として、ICDやICN等と協調して、より質の高い院内感染対策の実施に貢献します。感染制御認定臨床微生物検査技師 (Infection Control Microbiological Technologist; ICMT)は、臨床検査技師が取得できる認定資格の1つで、微生物検査や感染制御に関わる臨床検査技師が取得を目指す資格です。2017年1月時点で619名のICMTが登録されています。詳しくは日本臨床微生物学会ホームページをご参照ください。
NSTは、様々な医療スタッフがチームを組み、患者さん個々の病態や治療に応じて栄養管理を行います。NSTの活動により、栄養状態不良による治療遅延を減少させることが期待されています。様々な職種が関わることで多方面の視点からの栄養評価、管理が行えるようになります。
<メンバー構成>
■ 医師
■ 看護師
■ 管理栄養士
■ 薬剤師
■ メディカルスタッフ(臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚療法士等)
<活動>
■ 病棟回診
■ カンファレンス(病棟での栄養検討会)
■ 勉強会
当院では栄養評価セットとして血液検査でアルブミン、プレアルブミン、亜鉛、銅の4項目を測定しており、この栄養評価セットや総リンパ球などの血液検査の結果から栄養状態の推測ができます。臨床検査技師は血液検査や間接熱量(エネルギー代謝量)、InBody(体水分量や筋肉量などの体成分)の測定でNSTに関わっています。
日本静脈経腸栄養学会の認定するNST専門療法士という資格があります。この資格によって主に静脈栄養・経腸栄養を用いた臨床栄養学に関する優れた知識と技能を有しているとみなされます。臨床検査技師も3年以上の経験を有し、学会やセミナーへの参加や実地修練などの所定の要件を満たし試験に合格することでNST専門療法士の資格をとることができます。
体成分分析装置 InBody S10 | 病棟でInBody測定を行う臨床検査技師 |