白血病の診療は、適確な診断、化学療法を主体とする薬物療法、放射線療法からなりまさに集学的治療である。診断には血液検査、骨髄検査、病理診断、胸腹部のレントゲン写真、が必須であり、当院では血液・腫瘍内科、検査部、病理部、放射線科による綿密な連携医療により迅速かつ適正な診断がなされている。また、治療に当たっては、血液・腫瘍内科が中心となり放射線科、看護部などとの綿密な連携により化学療法、抗体療法、放射線療法などにより集学的に治療して、良好な治療成績を収めている。
国際標準治療が確立している白血病に対しては、「造血器診療ガイドライン」や「National Comprehensive Cancer Network (NCCN) guildeline」に準じた治療法を実施している。急性骨髄性白血病に対しては、anthracyclin系薬剤とシタラビンの併用による寛解導入療法と地固め療法を、JALSG (Japan Adult Leukemia Study Group)の臨床試験で成績の良かった治療レジメンに準じて治療を行い、急性前骨髄性白血病については、ATRAと化学療法の併用による分化誘導療法をJALSGの臨床試験として実施し、慢性骨髄性白血病に対してはチロシンキナーゼ阻害薬の内服治療、慢性リンパ性白血病についてはフルダラビンによるいずれも、国際標準とされる治療を実施している。標準的治療法が存在しない難治性の白血病に対しては、JALSGの臨床試験や、新薬の開発治験を患者さんへの詳細な説明と同意を実行した上で、実施している。
診断名 | 治療 | 2021年度 | 2022年度 |
急性骨髄白血病 | DNR/IDA+AraC療法 | 3 | 5 |
ベネクレクスタ+ビダーザ療法 | 10 | 12 | |
慢性骨髄性白血病 | チロシンキナーゼ阻害薬 | 102 | 107 |
骨髄異形成症候群 | ビダーザ療法 | 6 | 4 |
造血幹細胞移植 | 7 | 5 | |
その他 | 34 | 40 |