当院について

ケロイドの電子線照射療法

ケロイドとは

胸部や腹部の手術の傷跡が赤く盛り上がり、かゆみが出ることがあります。通常の傷跡は、時間とともに白く目立たなくなります。6ヶ月以上しても隆起、赤みが治らず、周囲の正常組織に広がっていくのがケロイドです。外観が問題となるだけでなく、強いかゆみ、痛みを伴います。ケロイド表面の凹凸が強いものでは、深部で感染を起こし、排膿を繰り返す場合もあります。

ケロイドの治療

ケロイドを単純に切除するだけでは再発し、元のケロイドより大きくなってしまいます。
ケロイドの再発を防止するためには、外科的治療に放射線療法を組み合わせることが必要です。当院ではケロイドの切除後に、放射線科に依頼し電子線照射を行うことで、よい成績を得ています。

外科的治療

手術は小さいものであれば局所麻酔で行いますが、大きいものでは全身麻酔が必要になります。ケロイドを切除し周囲の皮膚を縫い寄せます。縫合面にかかる張力を減らす目的で、真皮縫合を併用します。

放射線治療

術後1週間から手術した部に電子線照射を開始します。電子線とは放射線の一種であり、ケロイドを作り出す線維芽細胞の増殖を抑えます。1回5Gyで連続4日~5日間、総線量20~25Gyの照射を行います。一回の照射にかかる時間はわずかで、痛みはありません。電子線は、目的部位である皮膚表面付近に限定して照射され、内臓や骨には達しません。

治療結果

胸部・腹部ケロイドの治療を行い1年以上経過観察できたのは21例です。21例中18例は、手術の傷跡から発症したケロイドでした。平均年齢は63歳でした。
全例でケロイドの再発はありませんでした。ケロイドは細く平らな傷跡になり、かゆみ、痛みなどの自覚症状は改善しました。合併症として、電子線が照射された部位の皮膚炎、色素沈着がみられました。

ケロイドの治療には健康保険が適用されます。開胸術・開腹術で病気が治ったにもかかわらず、傷跡がケロイドとなってお悩みの方は、金曜日に形成外科を受診してください。

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