腹圧性尿失禁

腹圧性尿失禁を治して、アクティブな毎日を!

「くしゃみや咳をしたときにヒヤッとする」
「スポーツや重い物を持った時に尿が漏れてしまう」
といった経験はありませんか?

このようなお悩みは、決してあなただけではなく、成人女性の4人に1人、40歳以上では3人に1人が抱えていると言われています。

1.腹圧性尿失禁とは?原因と症状

主な症状(セルフチェック)

尿意とは関係なく、お腹に力(腹圧)がかかったときに尿が漏れてしまうのが特徴です。以下の項目に心当たりはありませんか?

・咳やくしゃみをしたとき
・大笑いをしたとき
・重い荷物を持ち上げたとき
・走ったり、ジャンプしたりするスポーツ中
・階段の上り下りや坂道を歩いているとき

原因

主な原因は、出産や加齢によって尿道を支える「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」などの組織が弱くなることです。これにより、本来しっかりと支えられているはずの尿道がグラグラと動きやすくなり(尿道過可動)、お腹に力がかかった際の圧力に耐えられなくなってしまいます。

2.腹圧性尿失禁の治療法

症状の程度や患者様のライフスタイルに合わせて、いくつかの治療法を選択できます。
保存的治療(骨盤底筋訓練):ゆるんだ骨盤底筋を体操で鍛える方法です。軽症の場合に効果が期待できます。

*干渉低周波刺激療法(保険診療)や高密度磁気刺激治療法(自費診療)といった特殊な機械を使って骨盤底筋を収縮させて鍛える治療法があります。レーザーで腟粘膜を刺激して弾力を回復させる治療法(自費診療)もあります。当院では行っていませんので必要時はご紹介いたします。

薬物療法:尿道の閉鎖圧を高める薬(βアドレナリン受容体作動薬など)を用います。ある程度の効果は期待できます。

手術療法:上記の保存的治療で効果がない場合や、根本的に治したい場合に検討されます。色々な手術が開発されてきましたが、現在は、体への負担が少ない手術(中部尿道スリング手術:TVT/TOT)が主流です。

3.TVT手術とTOT手術について

現在、腹圧性尿失禁の手術として第一選択となっているのが、メッシュ状のテープで尿道を支える「中部尿道スリング手術(MUS)」です。
主に「TVT手術」と「TOT手術」の2種類があります。
どちらの術式も、約30分程度の手術時間で、2泊3日程度の短い入院で済むことが多く、術後の満足度が高い治療です。
とはいえ、メッシュという異物を入れる手術ですので適応は慎重に考えていきましょう。

TVT手術とTOT手術の比較

手術の仕組み(イメージ)

どちらの手術も、ポリプロピレン製の特殊なテープを尿道の下にハンモックのようにあてて支えます。腹圧がかかったときに、このテープが尿道をそっと補強することで、尿漏れを防ぐ仕組みです。

4.手術後の経過

術後すぐ:手術の翌日から食事や歩行が可能です。

退院:排尿に問題がなければ、術後2日目以降に退院できます。

日常生活:数日で家事などの日常生活に戻れますが、重い物を持つことや激しい運動は、術後1〜2ヶ月程度控える必要があります。

尿漏れは「年のせい」と諦める必要はありません。
手術によって「不安なく外出できるようになった」「スポーツを再開できた」という喜びの声も多く聞かれます。
ひとりで悩まず、まずは専門医に相談して、自分らしい生活を取り戻しましょうね。