骨が弱く、脆くなる病気として最も有名な骨粗鬆症は、全国で1000万人以上いるといわれています。“骨粗鬆症”という言葉がとても広く浸透して、骨折予防をすることが重要だといわれています。実は、骨の病気は骨粗鬆症以外にもいくつか難病といわれる病気が存在します。骨の難病の中には最近画期的な治療薬が開発され、実際の臨床現場で患者さんの治療に応用しています。
私たちは、骨の難病といわれるFGF23関連くる病と骨軟化症という病気に注目をしています。FGF23とは骨をつくる重要な成分であるリン、カルシウムに影響を及ぼす分子です。この病気には子供の頃から骨や関節の痛み、膝や足の変形、骨折と間違いやすい骨のX腺写真など、多彩な骨に関連する特徴があります。そして、この病気はFGF23の作用が強すぎることが原因といわれています。治療は、このFGF23の作用を打ち消すような薬剤を使います。
骨の難病としては他にも、骨を丈夫にする酵素であるアルカリホスファターゼ(ALP)の働きが弱いために、骨や歯の異常を引き起こす病気もあり、私たちはそのALPの働きを補う治療も進めています。
当院ではこのように、FGF23関連くる病と骨軟化症やALPの異常による骨の難病に対して、内分泌や骨に関する専門医が診断します。そして、病態に合わせた薬剤を継続することで、骨の難病と戦う患者さんのために、よりわかりやすく医療を提供したいと考えています。“骨粗鬆症”だと思い込んでいると、せっかくの治療をするタイミングを逃してしまうことになるかもしれません。当院では、確定診断された患者さんには早期から治療を開始していくように態勢を整えています。
私たちは、このように骨の難病に苦しむ患者さんに対する専門外来を通じて、一人でも多くの骨の難病と戦っている患者さんのお役に立ちたいと願っています。
外来予約方法
糖尿病・内分泌内科
骨難病外来:月曜日午後(新患枠として2枠ずつ)
担当医師:佐藤哲彦(糖尿病・内分泌内科木曜外来担当)